〔NY金〕5日続伸、2712.20ドル=週間では5.5%高(22日) 2024年11月23日 05時31分
【ニューヨーク時事】週末22日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、ウクライナ情勢の一段の悪化をきっかけに安全資産としての金の投資妙味が高まり、5日続伸した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前日比37.30ドル(1.39%)高の1オンス=2712.20ドルと、約2週間ぶりに2700ドル台に乗せた。週間では5.5%高だった。
ロシアのプーチン大統領は前日、ビデオ演説し、侵攻するウクライナ東部ドニプロに向けて新型の極超音速中距離弾道ミサイル「オレシニク」を初めて使用したと発表した。バイデン米政権がウクライナに供与した長距離兵器によるロシア本土攻撃を容認した後、ウクライナは米国製の地対地ミサイル「ATACMS」と英国の巡航ミサイル「ストームシャドー」を使用して、ロシア攻撃を実施していた。この報を受けて、市場関係者らの間ではウクライナとロシア間での戦闘が激化するとの見方が台頭。安全資産とされる金にリスク回避の買いが集まった。またこの日の米長期金利がわずかに低下したことも、利回りを生まない金にとって支援材料となった。
この日の午前に発表されたS&Pグローバルによる11月の米製造業購買担当者景況指数(PMI)速報値は48.8と、前月の48.5から上昇。その後発表された米ミシガン大学による消費者景況感指数は、11月の景況感指数(確報値)は71.8と、暫定値の73.0から低下した。ただ、相場への影響は限定的だった。