〔NY石油〕WTI続伸、70ドル台(22日午前) 2024年11月23日 00時23分
【ニューヨーク時事】週末22日午前のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、緊迫するウクライナ情勢を背景に供給不安が強まる中、続伸している。米国産標準油種WTIの中心限月1月物は午前10時06分現在、前日清算値(終値に相当)比0.56ドル高の1バレル=70.66ドル。
ロシアのプーチン大統領が21日、ビデオ演説でウクライナ東部ドニプロに向けて新型の極超音速中距離弾道ミサイル「オレシニク」を初めて使用したと発表。バイデン米政権がウクライナに供与した長距離兵器によるロシア本土への攻撃を容認したことを受け、米英のミサイルが打ち込まれたことへの対抗措置という。ウクライナ側の攻撃激化によるロシア産原油の供給混乱へ警戒感が広がり、原油は強地合いが継続している。
また、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」が12月1日に開催する閣僚級会合で、12月から予定される増産を先送りする可能性があるとの観測も原油相場を支えている。
一方、S&Pグローバルがまとめた11月のユーロ圏の製造業購買担当者指数(PMI)速報値が48.1と市場予想(ロイター通信調べ)の50.0を下回った。これを受けて、ユーロ圏内の景気減速に伴うエネルギー需要見通しに懸念が強まり、原油の上値を抑えている。