〔NY石油〕WTI上伸、70ドル台(21日午前) 2024年11月22日 00時13分
【ニューヨーク時事】21日午前のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、緊迫するウクライナ情勢への警戒感から買い戻しが入り、上伸している。この日から中心限月に繰り上がった米国産標準油種WTIの1月物は午前9時50分現在、前日清算値(終値に相当)比1.37ドル高の1バレル=70.12ドル。
ウクライナ空軍は21日、ロシアが大陸間弾道ミサイル(ICBM)を用い、領土の東部を攻撃したと通信アプリで発表した。事実であれば、ロシアが侵攻でICBMを使用するのは初めて。ウクライナ側は19日に米国製地対地ミサイル「ATACMS」、20日に英国が供与した巡航ミサイル「ストームシャドー」を使用したとされており、これに報復した形。両国間の戦闘が一層激化するとの懸念に加え、ロシアのエネルギー関連施設が攻撃の対象になる可能性があるとの思惑から、市場は買いで反応した。
このほか、中国政府がトランプ新政権の関税強化に対抗するため、追加の財政刺激策を導入するとの期待や、石油輸出国機構(OPEC)を中心とした主要産油国による増産措置の先送り観測も相場を支援。1月物は早朝に節目の70ドル台を回復した。