米債務水準、30年後に1.6倍=財政危機の恐れ警告―議会予算局 2024年03月21日 05時51分

 【ワシントン時事】米議会の超党派機関、議会予算局(CBO)は20日、30年後の2054年度に債務の国内総生産(GDP)比率が166%と、24年度(99%)から約1.6倍に膨れ上がるとの長期見通しを公表した。29年度に第2次世界大戦直後の水準を上回り、過去最悪となった後も、債務拡大が続くと見込んだ。
 CBOは「債務が増加し続ければ、財政危機の可能性は高まる」と警告。米国債の信用が低下し、価格が急落すれば、金融危機を引き起こしかねず、「米国は国際金融システムの中心なので、世界に波及する」と警鐘を鳴らした。
 CBOによると、長期的な債務膨張の要因は、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げに伴う金利上昇で国債利払い負担が増えることや、財政赤字の持続だ。金利コストは54年度までにGDP比で倍以上になるという。
 CBOは「債務増大は経済成長を圧迫し、外国の国債保有者への利払いを増やす」などと指摘。経済対策や国防などで「議員らが選択肢の制約を感じることになりかねない」と訴えた。 

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