米FRB「利下げ急がず」=インフレ根強く、指標精査 2024年02月23日 15時08分

講演する米連邦準備制度理事会(FRB)のジェファーソン副議長=22日、ワシントン市内
講演する米連邦準備制度理事会(FRB)のジェファーソン副議長=22日、ワシントン市内

 【ワシントン時事】米国のインフレが根強さを示していることを受け、連邦準備制度理事会(FRB)が「利下げ開始を急がない」(ウォラー理事)姿勢を鮮明にしている。景気や雇用情勢が堅調に推移する中、インフレ再燃リスクに目配りしながら、経済指標を慎重に精査する構えだ。
 先週13日に発表された1月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.1%上昇と、市場予想を上回った。家賃や自動車保険などのサービス価格の値上がりが特に顕著だった。
 ジェファーソンFRB副議長は22日、ワシントンで講演し、1月のCPIについて「インフレ低下のプロセスが順調ではない可能性を浮き彫りにした」と指摘。年内の利下げ開始をなお見込むが、個人消費が予想以上に強く、インフレ鈍化が進まないリスクに警戒感を示した。
 ウォラー氏も同日の講演で「少なくともあと2カ月分の物価統計を確認する必要がある」と明言。「性急な利下げは、(これまで実現した)インフレ低下を無駄にしかねない」と警告した。
 インフレ圧力の想定以上の強さを踏まえ、市場ではFRBの早期利下げ観測が大きく後退。今では、早くても今年半ばになるとの見方が大勢だ。
 CPI上昇率は2022年半ばのピーク(9.1%)から「3分の2下がった」(バイデン大統領)。ただ、物価安定回復の達成を目前に「マラソンでも最後が最もきつい」(フィラデルフィア連邦準備銀行のハーカー総裁)状況となっている。 

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