【2024年3月18日~19日】金融政策決定会合の結果(要約) 2024年03月19日 15時27分

前回(2024年1月23日公表)との比較まとめ

マイナス金利政策を解除。


1.賃金と物価の好循環を確認し、先行き、「展望レポート」の見通し期間終盤にかけて、2%の「物価安定の目標」が持続的・安定的に実現していくことが見通せる状況に至ったと判断し、金融市場調整方針等について、以下のとおり決定した。

①次回金融政策決定会合までの金融市場調整方針

 無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0~0.1%程度で推移するよう促す。

②長期国債の買入れ

 これまでと概ね同程度の金額で長期国債の買入れを継続する。長期金利が急激に上昇する場合には、毎月の買入れ予定額にかかわらず、機動的に、買入れ額の増額や指値オペ、共通担保資金供給オペなどを実施する。

③長期国債以外の資産の買入れ

【ETFおよびJ-REIT】新規の買入れを終了する。

【CP等、社債等】買入れ額を段階的に減額し、1年後をめどに買入れを終了する。

④貸出増加支援資金供給等の新規実行分の扱い

 貸出増加支援資金供給、被災地金融機関支援オペ、気候変動対応オペについては、貸付利率を0.1%、貸付期間を1年として実施する。貸出増加支援資金供給については、貸出増加額と同額までの資金供給が受けられる仕組みとする。


■金融政策の枠組みの見直しについて(2024年3月19日)

1.日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、賃金と物価の好循環を確認し、先行き、「展望レポート」の見通し期間終盤にかけて、2%の「物価安定の目標」が持続的・安定的に実現していくことが見通せる状況に至ったと判断した。これまでの「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の枠組みおよびマイナス金利政策は、その役割を果たしたと考えている。日本銀行は、引き続き2%の「物価安定の目標」のもとで、その持続的・安定的な実現という観点から、短期金利の操作を主たる政策手段として、経済・物価・金融情勢に応じて適切に金融政策を運営する1。現時点の経済・物価見通しを前提にすれば、当面、緩和的な金融環境が継続すると考えている。
 以上を踏まえ、金融市場調節方針等については、以下のとおりとすることを決定した。

(1)金融市場調節方針(賛成7反対2)

 次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針は、以下のとおりとする。

 無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0~0.1%程度で推移するよう促す。

(2)長期国債の買入れ(賛成8反対1)

 これまでと概ね同程度の金額で長期国債の買入れを継続する。長期金利が急激に上昇する場合には、毎月の買入れ予定額にかかわらず、機動的に、買入れ額の増額や指値オペ、共通担保資金供給オペなどを実施する。

(3)長期国債以外の資産の買入れ(全員一致)

 ①ETFおよびJ-REITについて、新規の買入れを終了する。

 ②CP等および社債等について、買入れ額を段階的に減額し、1年後をめどに買入れを終了する。

(4)貸出増加支援資金供給等の新規実行分の扱い(全員一致)

 貸出増加支援資金供給、被災地金融機関支援オペ、気候変動対応オペについては、貸付利率を0.1%、貸付期間を1年として実施する。貸出増加支援資金供給については、貸出増加額と同額までの資金供給が受けられる仕組みとする。

2.わが国の景気は、一部に弱めの動きもみられるが、緩やかに回復している(別紙)。

賃金を巡る環境を整理すると、企業収益は改善を続けており、労働需給は引き締まっている。こうしたもと、本年の春季労使交渉では、現時点の結果をみると、昨年に続きしっかりとした賃上げが実現する可能性は高く、本支店における企業からのヒアリング情報でも、幅広い企業で賃上げの動きが続いていることが窺われる。物価面では、既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響は減衰してきているが、これまでの緩やかな賃金上昇も受けて、サービス価格の緩やかな上昇が続いている。このように、最近のデータやヒアリング情報からは、賃金と物価の好循環の強まりが確認されてきており、先行き、見通し期間終盤にかけて、「物価安定の目標」が持続的・安定的に実現していくことが見通せる状況に至ったと判断した。

以上

[ゴールデン・チャート社]

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前回(1月22日~23日開催)金融政策決定会合の結果(要約)

経済物価情勢の展望、総裁定例記者会見の要約記事などの一覧はこちら

■参考資料(外部サイト)

金融政策決定会合の結果「金融政策の枠組みの見直しについて」(日本銀行)

金融政策決定会合の運営(日本銀行)