【2023年1月17日~18日】経済物価情勢の展望(要約) 2023年01月18日 15時38分
経済・物価情勢の展望(2023年1月18日)
前回発表(2022年10月28日)との比較を中心に各項目ごとにまとめました。
1.経済・物価の現状
- 海外経済は、「総じてみれば緩やかに回復しているが、先進国を中心に減速の動きがみられる」から「回復ペースが鈍化している」へ
- 設備投資は、「持ち直している」から「緩やかに増加している」へ
- 雇用・所得環境は、「一部業種に弱さがみられるものの、持ち直している」から「全体として緩やかに改善している」へ
- 消費者物価(除く生鮮食品)前年比は、「3%程度となっている」から「3%台後半となっている」へ
2.経済・物価の見通し
(1)経済の見通し
- 海外経済は、「減速の動きがみられる」から「減速しつつも緩やかな成長を続けると想定」へ
- 設備投資は、「増加傾向が明確になっていく」から「増加を続ける」へ
(2)物価の見通し
- 全体として大きな変化はなし
(3)金融環境の見通し
- 全体として大きな変化はなし
(4)政策委員の大勢見通し
※対前年度比
※政策委員見通しの中央値
■「経済・物価情勢の展望」(2023年1月)の基本的見解(概要)
- 日本経済の先行きを展望すると、見通し期間の中盤にかけては、資源高や海外経済減速による下押し圧力を受けるものの、新型コロナウイルス感染症や供給制約の影響が和らぐもとで、回復していくとみられる。その後は、所得から支出への前向きの循環メカニズムが徐々に強まるもとで、潜在成長率を上回る成長を続けると考えられる。
- 物価の先行きを展望すると、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、目先、輸入物価の上昇を起点とする価格転嫁の影響から高めの伸びとなったあと、そうした影響の減衰に加え、政府の経済対策によるエネルギー価格の押し下げ効果もあって、来年度半ばにかけて、プラス幅を縮小していくと予想される。その後は、マクロ的な需給ギャップが改善し、中長期的な予想物価上昇率や賃金上昇率も高まっていくもとで、経済対策によるエネルギー価格の押し下げ効果の反動もあって、再びプラス幅を緩やかに拡大していくとみられる。
- 前回の見通しと比べると、成長率については、2022年度と2023年度は、政府の経済対策が押し上げ方向に寄与するものの、海外経済の下振れなどから、幾分下振れ、2024年度は、経済対策の効果の反動により幾分下振れている。物価については、2022年度と2023年度は、経済対策がエネルギー価格を押し下げる一方、輸入物価の上昇を起点とする価格転嫁の影響などもあって、概ね不変、2024年度は、経済対策による押し下げの反動から幾分上振れている。
- リスク要因をみると、引き続き、海外の経済・物価動向、今後のウクライナ情勢の展開や資源価格の動向、内外の感染症の動向やその影響など、わが国経済を巡る不確実性はきわめて高い。そのもとで、金融・為替市場の動向やそのわが国経済・物価への影響を、十分注視する必要がある。
- リスクバランスをみると、経済の見通しについては、2022年度と2023年度は下振れリスクの方が大きいが、2024年度は概ね上下にバランスしている。物価の見通しについては、上振れリスクの方が大きい。
[ゴールデン・チャート社]
■関連リンク
前回(2022年10月27日、28日開催分)の経済物価情勢の展望(要約)
■参考資料(外部サイト)
経済・物価情勢の展望(2023年1月17日、18日開催分)(日本銀行)