【2022年4月27日~28日】経済物価情勢の展望(要約) 2022年04月29日 09時34分

経済・物価情勢の展望(2022年4月28日)

 前回発表(2022年1月18日)との比較を中心に各項目ごとにまとめました。

1.経済・物価の現状

  • 国内景気は、「持ち直しが明確化」から「基調としては持ち直している」へ
  • 企業収益、景況感は、「全体として改善を続けている」から「景況感はこのところ改善が一服している」へ
  • 個人消費は、「持ち直しが明確化」から「再び持ち直しつつある」へ
  • 住宅投資は、「持ち直している」から「横ばい圏内の動き」へ
  • 消費者物価(除く生鮮食品)前年比は、「小幅のプラス」から「0%台後半となっている」へ
  • 予想物価上昇率は、「緩やかに上昇している」から「短気を中心に上昇している」へ


2.経済・物価の見通し

(1)経済の見通し

  • 見通し期間の序盤から中盤にかけては、資源価格上昇による下押し圧力を受けるものの、感染症や供給制約の影響が和らぐもとで、外需の増加や緩和的な金融環境、政府の経済対策の効果にも支えられて、回復していくとみられる。
  • 見通し期間の中盤以降は、資源高のマイナスの影響が減衰し、所得から支出への前向きの循環メカニズムが経済全体で徐々に強まっていくなかで、わが国経済は、潜在成長率を上回る成長を続けると考えられる。ただし、ペントアップ需要の顕在化による押し上げ圧力が和らいでいくため、成長ペースは鈍化していく可能性が高い。

(2)物価の見通し

  • 目先の消費者物価の前年比は、「プラス幅を緩やかに拡大」から「2022年度にはいったん2%程度まで上昇率を高める」へ
  • その後の消費者物価の前年比は、「徐々に上昇率を高めていく」から「プラス幅を縮小していく」へ
  • 中長期的な予想物価上昇率は、「プラス幅の緩やかな拡大が続く」から「短気と比べるとペースは緩やかながら上昇している」へ


(3)経済、物価の見通し



■「経済・物価情勢の展望」(2022年4月28日)の基本的見解(概要)

  • 日本経済の先行きを展望すると、ウクライナ情勢等を受けた資源価格上昇による下押し圧力を受けるものの、新型コロナウイルス感染症や供給制約の影響が和らぐもとで、外需の増加や緩和的な金融環境、政府の経済対策の効果にも支えられて、回復していくとみられる。その後は、資源高のマイナスの影響が減衰し、所得から支出への前向きの循環メカニズムが徐々に強まっていくなかで、わが国経済は、ペースを鈍化させつつも潜在成長率を上回る成長を続けると考えられる。
  • 物価の先行きを展望すると、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、携帯電話通信料下落の影響が剥落する2022年度には、エネルギー価格の大幅な上昇の影響により、いったん2%程度まで上昇率を高めるが、その後は、エネルギー価格の押し上げ寄与の減衰に伴い、プラス幅を縮小していくと予想される。この間、変動の大きいエネルギーを除いた消費者物価(除く生鮮食品・エネルギー)の前年比は、マクロ的な需給ギャップが改善し、中長期的な予想物価上昇率・賃金上昇率も高まっていくもとで、食料品を中心とした原材料コスト上昇の価格転嫁の動きもあって、プラス幅を緩やかに拡大していくとみられる。
  • 2023年度までの見通しを前回の見通しと比べると、成長率については、2021年度と2022年度が、感染再拡大や資源価格の上昇、海外経済の減速の影響などから下振れているが、2023年度はその反動もあって上振れている。物価については、エネルギー価格上昇の影響などから、2022年度が大幅に上振れている。
  • リスク要因としては、引き続き変異株を含む感染症の動向や、それが内外経済に与える影響に注意が必要である。また、今後のウクライナ情勢の展開や、そのもとでの資源価格や国際金融資本市場、海外経済の動向についても不確実性はきわめて高い。
  • リスクバランスをみると、経済の見通しについては、当面は、感染症やウクライナ情勢の影響を主因に下振れリスクの方が大きいが、その後は概ね上下にバランスしている。物価の見通しについては、当面は、エネルギー価格を巡る不確実性などを反映して上振れリスクの方が大きいが、その後は概ね上下にバランスしている。

[ゴールデン・チャート社]

■関連リンク

前回(2022年1月17日、18日開催分)の経済物価情勢の展望(要約)

主要各国の金融政策スケジュール

■参考資料(外部サイト)

経済・物価情勢の展望(2022年4月27日、28日開催分)(日本銀行)

金融政策決定会合の運営(日本銀行)