【2022年4月27日~28日】金融政策決定会合の結果(要約) 2022年04月28日 22時08分

前回(2022年3月18日公表)との比較まとめ

1.金融市場調整方針

 長短金利操作について、前回会合から据え置きを決定するとともに、連続指値オペの運用の明確化について追記。

【短期金利】日本銀行当座預金のうち政策金利残高に▲0.1%のマイナス金利を適用。

【長期金利】10年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、上限を設けず必要な金額の長期国債を買入れ。

 上記の金融市場調整方針を実現するため、10年物国債金利について0.25%の利回りでの指値オペを、明らかに応札が見込まれない場合を除き、毎営業日、実施する。


2.資産買入れ方針

 CP等、社債等の買入れについて、2022年4月から予定通りに方針を変更。

【ETF】年間約12兆円の残高増加ペースを上限に必要に応じて買入れ。

【J-REIT】年間約1,800億円の残高増加ペースを上限に必要に応じて買入れ。

【CP等、社債等】感染症拡大前のペースで買入れを行い、買入れ残高を感染症拡大前の水準(CP等:約2兆円、社債等:約3兆円)へと徐々に戻していく。

3.その他

  • 「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続
  • マネタリーベースは、消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率が安定的に2%を超えるまで拡大方針を継続
  • 新型コロナウイルス感染症の影響を注視し、必要があれば躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる
  • 政策金利は、現在の長短金利の水準かそれを下回る水準での推移を想定


■当面の金融政策運営について(2022年4月28日)

1.日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、以下のとおり決定した。

(1)長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)(賛成8反対1)(注1)

①次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針は、以下のとおりとする。

短期金利:日本銀行当座預金のうち政策金利残高に▲0.1%のマイナス金利を適用する。

長期金利:10年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、上限を設けず必要な金額の長期国債の買入れを行う。

②連続指値オペの運用の明確化

上記の金融市場調節方針を実現するため、10年物国債金利について 0.25%の利回りでの指値オペを、明らかに応札が見込まれない場合を除き、毎営業日、実施することとした。

(2)資産買入れ方針(全員一致)

長期国債以外の資産の買入れについては、以下のとおりとする。

①ETFおよびJ-REITについて、それぞれ年間約12兆円、年間約1,800億円に相当する残高増加ペースを上限に、必要に応じて、買入れを行う。

②CP等、社債等については、感染症拡大前と同程度のペースで買入れを行い、買入れ残高を感染症拡大前の水準(CP等:約2兆円、社債等:約3兆円)へと徐々に戻していく。

2.日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続する。マネタリーベースについては、消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、拡大方針を継続する。
 当面、新型コロナウイルス感染症の影響を注視し、企業等の資金繰り支援と金融市場の安定維持に努めるとともに、必要があれば、躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる。政策金利については、現在の長短金利の水準、または、それを下回る水準で推移することを想定している(注2)。

(注1)賛成:黒田委員、雨宮委員、若田部委員、鈴木委員、安達委員、中村委員、野口委員、中川委員。反対:片岡委員。片岡委員は、コロナ後を見据えた企業の前向きな設備投資を後押しする観点から、長短金利を引き下げることで、金融緩和をより強化することが望ましいとして反対した。

(注2)片岡委員は、財政・金融政策の更なる連携が必要であり、日本銀行としては、政策金利のフォワードガイダンスを、物価目標と関連付けたものに修正することが適当であるとして反対した。

[ゴールデン・チャート社]

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前回(3月17日~18日開催)金融政策決定会合の結果(要約)

経済物価情勢の展望、総裁定例記者会見の要約記事などの一覧はこちら

■参考資料(外部サイト)

金融政策決定会合の結果「当面の金融政策運営について」(日本銀行)

金融政策決定会合の運営(日本銀行)