【2022年3月17日~18日】総裁定例記者会見(要約) 2022年03月22日 08時58分
総裁記者会見要約(2022年3月18日)
1. 今回の決定内容について
- 金融市場調整方針と長期国債以外の資産の買入れ方針に関して現状維持を決定
- CP等、社債等については、来月以降は、買入れ残高を感染症拡大前の水準へと徐々に戻していく
- 日本の景気の現状については、「感染症の影響などから一部に弱めの動きもみられるが、基調としては持ち直している」と判断
2.ウクライナ情勢について
- ウクライナ情勢が、日本の経済・物価に及ぼす影響については、きわめて不確実性が高いと考えている
- 世界経済の下押し要因になり、グローバルなインフレ圧力が一段と増幅され得ると考えられる
- 日本においては、資源価格の上昇の影響が最も大きいと考えられ、物価は、エネルギーや食料品等を中心に、当面はっきり上昇すると予想される
3.円安の影響について
- 為替相場の具体的な状況についてはコメントしない
- 一般論として、円安が全体として経済・物価を押し上げ、日本経済にプラスに作用しているという基本的な構図は変わりない
- ただし、円安に伴う輸入物価の上昇が家計や企業収益の悪化を通じて、日本経済の下押し要因となり得ることには注意が必要も、今のところ、輸入物価の上昇に円安が与える影響は小さい
- 欧米の利上げと円安との相関関係ははっきりせず、欧米の利上げにより円安圧力が強まっていくとは考えていない
4.所得と雇用について
- オミクロン株の影響によるサービス消費の下押し圧力が効いて、経済全体は弱めの動き
- 企業収益とか企業マインド、設備投資動向はかなりしっかりしている
- 大企業の春闘の状況を見る限り、これまでのところは比較的順調に賃上げが進んでいるようにみえる
5.物価目標2%が視野に入る中で、大規模緩和に対する所感
- 2%の「物価安定の目標」は、あくまでも、金融が緩和された状態で経済が成長し、企業収益も拡大して賃金も上がっていく中で、物価が上がっていくことが重要
- 現在、物価が上がっている要因の相当部分が、国際商品市況の上昇による輸入物価の上昇に起因するものなので、そうである限りは、日銀の目標達成とは考えられない
[ゴールデン・チャート社]
■関連リンク
■参考資料(外部サイト)
総裁記者会見要旨(2022年3月17、18日開催分)(日本銀行)