【2022年1月17日~18日】総裁定例記者会見(要約) 2022年01月20日 11時10分
総裁記者会見要約(2022年1月18日)
1. 今回の決定内容について
- 日本の景気の現状については、「内外における新型コロナウイルス感染症の影響が徐々に和らぐもとで、持ち直しが明確化している」と判断
- 前回の見通しと比較して、成長率については、2021年度は供給制約の影響から下振れ、2022年度は政府の経済対策の効果などを背景に上振れとなり、物価については、資源価格の上昇やその価格転嫁などを背景に2022年度が幾分上振れている
- 経済の見通しについては、感染症の影響を中心に、当面は下振れリスクの方が大きいが、物価の見通しについては、リスクは概ね上下にバランスしているとみている
2. 世界経済の展望について
- 世界経済は、国・地域毎のばらつきを伴いつつも、感染症の影響が徐々に和らいでいくもとで、先進国を中心とした積極的なマクロ経済政策にも支えられて、高めの成長を続けると予想
3. 日銀が利上げを議論しているとの報道について
- そうした議論は全くしておらず、利上げというようなことは全く考えられない
4. 物価見通しのリスク評価を、これまでの下振れから中立に引き上げたことについて
- 物価の先行きについて、中心的な見通しでは 需給ギャップの改善が続くもとで、企業の価格設定スタンスは徐々に積極化し、 原材料コスト上昇の価格転嫁も緩やかに進むと考えているため、リスクが概ね上下にバランスしていると修正した
5. 円安について
- 為替円安が全体として経済と物価をともに押し上げて、経済にプラスに作用しているという基本的な構図に今のところ変化はないと考えており、悪い円安ではないと判断している
6. 賃上げに向けて、政府や企業に対して、期待すること、求めることは何か
- 感染症の影響から脱して、本格的な回復軌道に復していくうえで、賃金の上昇はきわめて重要な要素であると考えている
- 労使双方の取り組みによって、経済全体として賃上げと景気回復の好循環が実現していくことを強く期待している
7. 現行の金融政策の効果と副作用について
- 紛れもなく経済の回復を助け、デフレからの脱却を助け、企業収益を改善し、雇用も大幅に伸びてきている。そうした意味で効果は十分あったと思う
8. 女性幹部比率を2023年までに10%にするという目標について
- 女性の採用、あるいは女性の幹部比率という目標は、十分達成できる状況にあると考えている
[ゴールデン・チャート社]
■関連リンク
■参考資料(外部サイト)
総裁記者会見要旨(2022年1月17、18日開催分)(日本銀行)