止まらぬ「米国売り」=トランプ氏、円安是正観測も 2025年04月22日 20時17分

1ドル=139円台を付けた円相場を示すモニター=22日、東京都中央区
1ドル=139円台を付けた円相場を示すモニター=22日、東京都中央区

 トランプ米政権の政策を巡る不確実性の高まりを受け、円相場は22日、約7カ月ぶりに一時1ドル=139円台の円高ドル安水準となった。日米関税交渉で、米国側が円安是正を求めるとの観測が台頭し、円買い・ドル売りに拍車を掛ける。市場関係者からは、「米国の国債、通貨(ドル)、株式が売られるトリプル安の様相。目先は『米国売り』が強まる可能性がある」との声も出ている。
 加藤勝信財務相とベセント米財務長官は24日にも会談する方向で調整しており、為替問題も協議される見通し。対日貿易赤字の削減を目指すトランプ氏はかねて円安に不満を示しており、「円安是正が要求されるとの警戒感から、円買い・ドル売りが進んでいる」(国内銀行)状況だ。「米国側が日銀の利上げを求める可能性がある」(大手証券)との観測もある。
 また、トランプ大統領が早期利下げを求め、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の解任を検討していることも、ドル売り圧力になっている。トランプ氏は21日、パウエル氏を「ミスター遅過ぎ」とやゆし、「金利を下げなければ、景気は減速する可能性がある」と主張した。露骨な政治介入により、「中央銀行の独立性が脅かされ、ドルの信認が低下するとの不安から、ドル売りが強まっている」(外為仲介業者)とされる。 

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