緩やかに上昇 2024年11月08日 14時53分
ニッセイ基礎研究所研究員・森下千鶴氏
想定以上の速さで米大統領選が決着した。株価に大きな巻き戻しはなく、不透明感が剥げて落ち着いた形だ。日本株は年末にかけて緩やかに上昇し、日経平均株価は3万8000円から4万1500円程度を予想する。
トランプ次期大統領が掲げる輸入関税引き上げや移民規制の強化といった施策は、一時的に株価にマイナスのインパクトを与えそうだ。日本では、金融株や円安の恩恵を受ける輸出関連株が買われやすい局面にある。
米国のインフレ懸念再燃には注意が必要だ。利下げペースの鈍化が意識されて日米金利差が広がれば、日銀の利上げ判断が焦点となる。市場は年明けの引き上げを見込むが、過度に円安が進行すると12月に開かれる政策決定会合の動向に神経質になるだろう。
円安で輸入物価の上昇を招くと、内需系の業績見通しは厳しくなる可能性がある。訪日客需要は期待できても、個人消費の停滞が懸念材料だ。