〔東京外為〕ドル、153円台前半=日銀早期利上げ観測で急落(5日午後5時) 2025年02月05日 17時03分
5日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、強い毎月勤労統計を背景とした日銀による早期の追加利上げ観測を受け、1ドル=153円台前半に急落した。一時は153円近辺と約2カ月ぶりの安値水準となった。午後5時現在は153円32~33銭と前日(午後5時、155円30~32銭)比1円98銭の大幅ドル安・円高。
東京時間早朝は、前日発表の昨年12月の米雇用動態調査(JOLTS)が市場予想を下回り、米長期金利が低下してドル売り・円買いが進んだ流れを引き継ぎ、154円30銭前後で推移。午前9時前に公表された昨年12月の毎月勤労統計で実質賃金がプラスとなり、「日銀による早期の追加利上げの観測が強まった」(外為仲介業者)ことから、ドル円の下落が加速した。
国内の10年債利回りが一時1.295%と2011年4月以来約13年10カ月ぶりの高水準となったことも円買い要因となった。五・十日ではあったが、「仲値公示に向けた実需の売り買いに偏りはなかった」(同)との声が聞かれた。
午前中の衆院予算委員会で赤沢亮正経済再生担当相が、前日に植田和男日銀総裁が日本経済の現状を「インフレ状態」とする認識を示したことについて、「経済学的に申し上げれば、足元の消費者物価が上昇しているという点で、インフレの状態とおっしゃるのはその通りであり、植田総裁の認識と特に齟齬(そご)はない」と発言したことも、日銀の追加利上げ観測を強め、円が買われたとされる。
週末の米雇用統計を前に、日本時間今夜公表の1月のADP全米雇用報告も注目される。
ユーロは対円で下落、対ドルでは上昇。午後5時現在、1ユーロ=159円47~48銭(前日午後5時、160円14~15銭)、対ドルでは1.0400~0401ドル(同1.0311~0312ドル)。