〔東京外為〕ドル、156円台後半=植田総裁発言で下落(15日午後5時) 2025年01月15日 17時04分

 15日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、植田日銀総裁の発言を受けた利上げ観測が重しとなり、1ドル=156円台後半に下落した。地銀協でのあいさつで、「来週の金融政策決定会合で利上げを行うかどうかについて議論し、判断したい」と述べたことが売りを強めた。午後5時現在、156円86~87銭と前日(午後5時、157円51~52銭)比65銭のドル安・円高。
 前日の海外市場では、米国時間の序盤は12月の卸売物価指数(PPI)が前年同月比3.3%上昇と市場予想(ロイター調査)の3.4%上昇を下回り、インフレ懸念が後退。ドル円は157円40銭前後まで売られた。中盤は米長期金利が上昇に転じ、158円20銭付近へ水準を切り上げた。終盤は長期金利の上昇一服や日銀の早期利上げ観測などが重しとなり、158円前後に軟化した。
 本日の東京早朝も同レベルで推移。午前は前日終値を挟んでもみ合う日経平均株価を眺め、157円80銭~158円05銭前後のレンジ圏にとどまった。午後もしばらく同水準でもみ合ったが、午後1時すぎに植田総裁の発言が伝えられると、「急速に利上げ観測が広がった」(為替ブローカー)とされ、ドル円は下げ足を速めた。
 植田総裁の発言内容は、前日の氷見野日銀副総裁のあいさつと同じ内容だったが、「正副総裁が相次いで『利上げを議論』と発言したことで、利上げの可能性が高まった」(大手邦銀)と受け止められた。
 ユーロも終盤は対円で軟調、対ドルでは強含み。午後5時現在、1ユーロ=161円65~68銭(前日午後5時、161円50~52銭)、対ドルでは1.0304~0305ドル(同1.0252~0253ドル)。

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