最低賃金、６３円上げ＝過去最大、全国平均１１１８円―全県で１０００円超に・厚労省審議会 2025年08月04日
中央最低賃金審議会（厚生労働相の諮問機関）は４日、２０２５年度の最低賃金引き上げの目安を全国平均で６３円（６．０％増）とするよう答申した。コメなどの物価高騰を踏まえた。引き上げ幅は前年度の目安の５０円を超え、過去最大。全国平均の最低賃金は時給１１１８円となり、全都道府県で１０００円を超える見通しだ。
最低賃金はパートやアルバイトを含むすべての労働者に対し、雇い主が支払わなければならない最低限の時給額。中央審議会の目安を参考に、都道府県ごとの地方最低賃金審議会が引き上げ額を決め、１０月上旬以降に適用する。
目安は都道府県を経済情勢に応じてＡ～Ｃの３ランクに分けて提示。２５年度は東京都、大阪府などのＡランクと北海道、福島県、石川県、兵庫県などのＢランクが６３円、青森県、岩手県、高知県、鹿児島県などのＣランクが６４円となり、経済力が強いＡ、ＢをＣが上回った。逆転現象は初めてで、地域間格差の是正や、地方でより人手不足が深刻化している状況などを考慮した。
地方審議会が目安通りに上げた場合、現在、９００円台となっている秋田県（９５１円）など３１県がすべて１０００円超となる。