「MICE」誘致へ対策強化=各国と競争激化、補助導入も―観光庁 2024年02月03日

 観光庁は2024年度、国際会議や企業の研修旅行、展示会といった「MICE」の誘致に向けて、新たな補助を導入するなどして対策を強化する。会場の通信環境整備や、誘致に関するノウハウを持つ人材の育成にかかる費用を支援。誘致を巡って各国との間で激化する競争を勝ち抜き、インバウンド(訪日客)消費の拡大を狙う。
 政府が昨年5月に決定したインバウンド拡大に向けた行動計画では、国際会議の開催件数を30年までに世界5位(22年実績12位)とする目標を設定。直近の訪日客数は好調だが、国際会議の開催は22年時点で553件(19年実績3621件)と、コロナ禍からの回復が遅れており、誘致態勢を強化する。
 会場の通信環境整備では、施設を管理する自治体や事業者に対し、無線LANなどの導入経費について、1件当たり2000万円を上限に半額を補助。ペーパーレスの会議に対応するため、デジタルサイネージ(電子看板)整備も支援する。
 人材育成に関しては、誘致活動を行う地元組織に対し、広報戦略策定やMICEのトレンドを学べる講座を受けるための費用について、300万円を上限に半額を補助。MICE関係者が集う海外見本市への参加も支援対象とし、人脈づくりを後押しする。
 他国との差別化を図るため、国際会議の前後に行う歓迎会を、歴史的建造物や文化施設などで開催する取り組みも促す。主催者を支援するモデル事業を行い、参加者の満足度を調査した上で、実施地域の拡大を目指す。 

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