昨年の食品輸出、過去最高1.4兆円=11年連続、中国禁輸で減速 2024年01月30日

 農林水産省が30日発表した2023年の「農林水産物・食品」輸出額(速報値)は前年比2.9%増の1兆4547億円と、11年連続で過去最高を更新した。円安のほか、新型コロナの行動制限解除が追い風となった。ただ、東京電力福島第1原発の処理水放出に反発した中国が8月に日本産水産物の輸入を全面停止したことが響き、下半期は2.9%のマイナスに陥った。
 政府は農林水産物・食品の輸出額について、25年に2兆円、30年に5兆円に拡大する目標を掲げている。輸出額は21年に1兆円を突破し、拡大を続けてきたが、最大の輸出先である中国の禁輸の影響で減速を余儀なくされている。
 国・地域別では、中国が2376億円と14.6%減少したものの首位を維持した。このうち水産物は、29.9%減の610億円だった。一方、真珠が好調だった香港が13.4%増の2365億円、緑茶が伸びた米国が6.4%増の2062億円で続いた。 

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