中ロ貿易が過去最高=深まる相互依存 2024年01月12日

 【北京時事】2023年の中国とロシアの貿易総額は前年比26.3%増の2401億ドル(約35兆円)となった。過去最高だった前年の1903億ドルを更新し、初めて2000億ドルを突破。ともに対米関係などが冷え込む中、経済的な相互依存を深めている。
 「協力は健全かつ順調に発展している」。中国の習近平国家主席は昨年12月、訪中したロシアのミシュスチン首相との会談で中ロ関係をこう自賛した。両国は18年に約1000億ドルだった貿易総額を24年までに倍増させることで一致していたが、1年前倒しで達成した。
 ウクライナ侵攻を受けて日米欧などから制裁を科されたロシアにとり、中国との関係は侵攻を続ける上で「命綱」となっている。ロイター通信によると、ロシア産原油の最大の購入元は中国。一方、侵攻以前に主な輸出先だった欧州向けは激減。エネルギー業界の関係者は「中国が原油を買わなければ、戦費を十分に調達できない可能性がある」と指摘する。
 中国も米国による半導体の輸出規制などに苦しむ中、外交的に立場が近い大国のロシアとの関係を重視。中ロ間では高官の往来が相次いでおり、習氏自身も23年の初外遊先としてロシアを訪問した。
 中国は同年に自動車などの対ロ輸出を急増させ、貿易面でロシアとのつながりを深めた。ただ、中国にとって対ロ貿易の比重は約4%にとどまっており、対欧州連合(EU)の13%や対米の11%、対日の5%を下回る。先の関係者は「中国はロシアの苦境をうまく利用し、経済的な利益を得ている」と指摘した。中国はロシア産原油について、サウジアラビア産などに比べて安価に調達してきたとされている。 

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中国・黒河とロシア・ブラゴベシチェンスクを結ぶ黒竜江大橋=2022年8月19日、中国黒竜江省
中国・黒河とロシア・ブラゴベシチェンスクを結ぶ黒竜江大橋=2022年8月19日、中国黒竜江省

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