10月値上げ4634品=飲料・食品、前月の2倍超―勢い鈍化、年間見通しは下げ・帝国データ 2023年09月29日

 帝国データバンクが29日公表した調査によると、主要195社の10月の食品値上げは4634品目で、前月(2148品目)の2倍超となった。大型ペットボトル飲料や加工食品、オリーブオイルの引き上げが目立つ。10月1日の酒税改正による増税で「第三のビール」も高くなるが、一方で「ビール」は減税で安くなるなど全体的な勢いは鈍化。年間値上げ見通しを当初の3万5000品目から3万2000品目台に引き下げた。
 ペットボトル飲料では、伊藤園の「おーいお茶 緑茶」(2リットル)の希望小売価格が410円から437円に上昇。サントリー食品インターナショナルの「サントリー天然水」(同)、コカ・コーラボトラーズジャパンの「コカ・コーラ」(1.5リットル)も30円程度高くなる。
 食品では、プリマハムや伊藤ハムのソーセージなど加工食品が値上げ。欧州での不作の影響で、製油大手J―オイルミルズなどもオリーブオイルの価格を引き上げる。
 安価が魅力の第三のビールは、350ミリリットルで9円19銭の増税となる。キリンビールの「本麒麟(きりん)」(350ミリリットル)やサントリーの「金麦」(同)が、コンビニエンスストアでの店頭価格で173円程度から182円程度になる見込みだ。
 一方、ビールは逆に350ミリリットルで6円65銭減税され、大手各社が一斉に値下げする。アサヒビールの「スーパードライ」(同)やサッポロビールの「黒ラベル」(同)は231円程度から225円程度に安くなる見通し。
 ビールを中心に値下げされる食品があることから、全体的には、前年同月と比べた値上げ品目数は3カ月連続で減少する。帝国データは「値上げの勢いは後退傾向にある」(担当者)とみている。 

特集、解説記事