中国、南シナ海に「障害物」=フィリピンが撤去 2023年09月25日

 【北京、マニラ時事】フィリピン沿岸警備隊は24日、中国と領有権を争う南シナ海で、中国当局がフィリピン漁船の航行を妨げる浮遊式の障害物を設置したと明らかにした。フィリピン政府は強く非難し、25日、大統領令に基づき撤去した。中国側は同海域での「主権」を主張していた。
 現場はフィリピンの排他的経済水域(EEZ)内で中国が実効支配するスカボロー礁(中国名・黄岩島)。フィリピン側によると、中国海警局の船がブイをつないだような形状の全長約300メートルの障害物を設置したのを20日に確認した。フィリピンのアニョ国家安全保障顧問は25日、「(障害物は)フィリピンの漁民の権利を侵害している。この権利は2016年の(オランダ・ハーグの)仲裁裁判所の判決で確認済みだ」と述べていた。 

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20日、南シナ海のスカボロー礁付近に中国側が設置した障害物(フィリピン沿岸警備隊提供・時事)
20日、南シナ海のスカボロー礁付近に中国側が設置した障害物(フィリピン沿岸警備隊提供・時事)

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