日銀、金融緩和を検証へ=植田総裁「政策変更に直結せず」―大規模緩和は継続 2023年04月28日

 日銀は28日の金融政策決定会合で、金融政策運営について「1年から1年半程度」の時間をかけて多角的にレビュー(検証)を行う方針を打ち出した。植田和男総裁は会合後に記者会見し、長期にわたる金融緩和の効果と副作用を検討することで「将来の政策運営に有益な知見を得る」と検証を行う目的を説明した。「目先の政策変更に結び付けてやるわけではない」とも述べ、大規模緩和からの「出口戦略」との関わりは否定した。
 会合は27日から2日間開かれ、今月9日に総裁に就任した植田氏が初めて議長を務め、現在の大規模な金融緩和策の維持を決めた。会合後の公表文には「賃金の上昇を伴う形で2%の『物価安定の目標』を持続的・安定的に実現することを目指していく」と明記した。
 植田氏は「粘り強く緩和を続ける姿勢は不変」と強調した一方、検証期間中の政策変更も「必要があれば実行する」と語った。検証に当たっては外部の有識者を招いた検討会などを開催すると説明し、「長期的な政策運営に資する」と話した。 

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金融政策決定会合を終え、記者会見する日銀の植田和男総裁=28日午後、日銀本店
金融政策決定会合を終え、記者会見する日銀の植田和男総裁=28日午後、日銀本店

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