脱炭素へ原発政策転換=建て替え推進、運転延長―GX債、150兆円投資主導・政府会議 2022年12月22日

 政府は22日、首相官邸で「GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議」(議長・岸田文雄首相)を開き、脱炭素社会実現のための基本方針と今後10年間の工程表を決定した。再生可能エネルギーや原子力など「脱炭素効果の高い電源を最大限活用する」と明記。原発の建て替えや運転期間延長を盛り込み、東京電力福島第1原発事故後の原発政策を転換する。新たな国債「GX経済移行債」(仮称)を発行し、官民で150兆円超の脱炭素化投資を目指す。
 首相は席上、「エネルギー危機に対応した政策を加速するには、国民や地域の信頼を積み上げる地道な取り組みが不可欠だ。高レベル放射性廃棄物の最終処分などに政府を挙げて取り組んでいく」と表明。基本方針は意見公募を経た上で、年明けに閣議決定する。
 ロシアのウクライナ侵攻で緊迫化するエネルギー情勢を受け、GX推進には「エネルギー安定供給の確保が大前提」と強調し、将来にわたり持続的に原子力を活用する方針を示した。次世代型原発の導入では「まずは廃止決定した炉の建て替えを対象として、具体化を進めていく」と明記。東電福島第1原発事故後、原発の新増設・建て替えを凍結してきた政府方針を改める。 

その他の写真

「GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議」で発言する岸田文雄首相(左から2人目)=22日午後、首相官邸
「GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議」で発言する岸田文雄首相(左から2人目)=22日午後、首相官邸
「GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議」で発言する岸田文雄首相(奥右端)=22日午後、首相官邸
「GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議」で発言する岸田文雄首相(奥右端)=22日午後、首相官邸

特集、解説記事