全町避難の双葉町、一部居住可能に=来月末、復興拠点の指示解除へ―原発事故から11年余・福島 2022年07月14日

 福島県双葉町や政府などは14日、東京電力福島第1原発事故による帰還困難区域のうち、町内の「特定復興再生拠点区域」(復興拠点)に出している避難指示を8月30日に解除することで合意した。原発立地自治体である双葉町は、2011年3月の事故以降、県内で唯一、全町避難が続いていた。解除されれば約11年5カ月ぶりに町内での居住が可能となる。
 町と政府の原子力災害現地対策本部、県が合同で記者会見し、明らかにした。伊沢史朗町長は「避難指示の解除は復興への大きな一歩。ふるさとを一日でも早く取り戻すことができるよう全力で取り組む」と述べた。
 避難指示が解除される復興拠点は、JR常磐線双葉駅周辺の約555ヘクタール。町面積の約1割に当たり、事故前は約4400人が住んでいた。駅周辺の一部区域は常磐線の全線再開に合わせ20年3月に先行解除されている。 

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復興拠点の避難指示解除日を発表する福島県双葉町の伊沢史朗町長(右から2人目)ら=14日午後、同県いわき市
復興拠点の避難指示解除日を発表する福島県双葉町の伊沢史朗町長(右から2人目)ら=14日午後、同県いわき市
福島県双葉町のJR双葉駅周辺=1月20日
福島県双葉町のJR双葉駅周辺=1月20日

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