KDDI、5日夕に全面復旧=通信障害「ほぼ回復」―過去最悪、企業活動にも影響 2022年07月04日

 KDDIは大規模通信障害の発生から60時間以上が経過した4日午後、携帯電話の通話とデータ通信が「全国的にほぼ回復した」と発表した。必要な障害対応を終え、同日午後3時前に通信制限も解除。利用者の通信状況に問題がないことを最終確認した上で、5日夕方をめどに全面復旧を宣言する見通しだ。
 2日未明に起きた障害は最大3915万回線に影響を及ぼし、緊急通報やスマートフォン決済などが利用できなくなった。物流をはじめ広い範囲で企業活動にも影響が生じ、通信業界で過去最悪の事故となった。
 同社は4日午後8時から吉村和幸専務がオンライン形式で記者会見を行い、「長期にわたり多大なご迷惑をお掛けし深くおわびする」と陳謝。その上で「5日夕刻をめどに最終的な復旧判断をしたい」と説明した。利用者への補償については「検討して別途ご案内したい」と述べるにとどめた。
 障害は2日午前1時35分ごろに発生した。通信設備の交換時に不具合が起き、一時的に音声通信が不通となったことで再接続のためのアクセスが通信機器に集中。負荷を減らすために制限をかけた。3日夕に復旧作業を終えた後も新たな問題が見つかり、「ほぼ回復」するまでに時間を要した。
 総務省は今回の障害について電気通信事業法上の「重大な事故」に該当するとみており、KDDIからの報告を踏まえて行政処分を検討する。 

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大規模通信障害に関し、オンライン記者会見で説明するKDDIの吉村和幸専務(右)ら=4日午後
大規模通信障害に関し、オンライン記者会見で説明するKDDIの吉村和幸専務(右)ら=4日午後

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