日銀、緩和姿勢が突出=主要中銀は「利上げドミノ」 2022年06月17日

 世界的なインフレを抑制するため、米欧の主要中央銀行が相次いで金融引き締めに動いている。16日には、日銀と同様にマイナス金利政策を実施しているスイス国立銀行(中央銀行)が15年ぶりの利上げを決定。主要中銀による「利上げドミノ」の様相を呈する中、日銀の金融緩和スタンスが突出している。
 6月に入り、欧州中央銀行(ECB)が7月会合で11年ぶりの利上げに踏み切る方針を表明したほか、米連邦準備制度理事会(FRB)は通常の3倍となる0.75%の利上げを決定。スイス中銀も16日、政策金利を0.5%引き上げてマイナス0.25%とする予想外の大幅利上げを決めた。
 16日には、英イングランド銀行(中央銀行)も昨年12月から5会合連続となる利上げを決定している。各国中銀が雪崩を打ったように利上げに踏み切ったことで景気減速懸念が浮上、世界各国の株式市場が軒並み大幅安となるなど動揺も広がっている。
 スイス中銀の利上げにより、国際金融市場に影響力を持つ主要国の中銀で金融緩和姿勢を崩していないのは日銀だけとなった。各国中銀との金融政策の方向性の違いを背景とした金利差拡大により、今後も円の独歩安が続く可能性は高い。 

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日銀本店=東京都中央区(AFP時事)
日銀本店=東京都中央区(AFP時事)

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