経済政策のかじ取り難しく=インフレ・景気後退を懸念―G7、ウクライナ侵攻が影〔潮流底流〕 2022年05月21日

 ドイツ・ボン郊外で19、20両日に開かれた日米欧の先進7カ国(G7)の財務相・中央銀行総裁会議は共同声明で、ロシアによるウクライナ侵攻がエネルギーや食料品の価格高騰を招き、「インフレ率は数十年ぶりの水準に達している」と警鐘を鳴らした。戦争の終結が見通せない中、景気後退と物価上昇が同時進行するスタグフレーションに陥る懸念がくすぶり、G7各国は難しいかじ取りを迫られている。
 ◇インフレ警戒、鮮明に
 「G7は現在のインフレを経済の最大のリスクの一つと認識している」。会議初日、リントナー独財務相は記者団にこう述べ、物価上昇への警戒感をあらわにした。
 国際通貨基金(IMF)の予想では、2022年の消費者物価上昇率(インフレ率、年平均)は、前年比で米国が7.7%、英国が7.4%に達した。新型コロナウイルス禍から経済が正常化する過程で、原材料などの供給網が目詰まりを起こし、ウクライナ侵攻が追い打ちをかけた格好だ。 

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