21年度の経常黒字12兆円=7年ぶり低水準、資源高響き22%減 2022年05月12日

 財務省が12日発表した2021年度の国際収支速報によると、海外とのモノやサービスの取引、投資収益の状況を示す経常収支の黒字額は、前年度比22.3%減の12兆6442億円となった。黒字幅の縮小は4年連続で、14年度(8兆7031億円)以来7年ぶりの低水準。世界的な資源価格高騰により貿易収支が7年ぶりに赤字に転じた。
 輸出額は世界経済の回復に伴い、鉄鋼や自動車などが伸び、25.1%増の85兆4957億円となった。一方、輸入額は資源高を背景に原油や石炭などが増え、35.0%増の87兆1464億円。輸出額、輸入額ともに過去最高を更新したが、輸入額の伸びの方が大きかったため、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は1兆6507億円の赤字となった。
 モノ以外の取引状況を示すサービス収支も4兆7960億円の赤字。一方、配当や利子収入などを示す第1次所得収支は14.7%増の21兆5883億円。日本企業が海外子会社から受け取る配当金が業績回復で増えた。 

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