新型ICBM「火星17」発射=金総書記命令、米と対決鮮明―北朝鮮 2022年03月25日
【ソウル時事】朝鮮中央通信は25日、北朝鮮が24日に金正恩朝鮮労働党総書記の命令で、平壌から新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星17」を発射する実験を成功させたと報じた。米全土を狙えるかつてない射程を持つとみられ、金総書記は米国との対決姿勢を鮮明にした。
金総書記は23日に直筆で命令書を出し、発射にも立ち会った。同通信は「兵器システムのあらゆる数値が設計上の要求に正確に達し、戦時環境の条件での運用の信頼性を担保できることを明白に証明した」と実験成功を伝えた。
報道では最高高度が6248.5キロ、飛距離が1090キロ、飛行時間が4052秒(約68分)で、日韓が24日に探知したのとほぼ同じ。党機関紙「労働新聞」の写真では、車軸の数が11軸の大型移動式発射台から発射されており、2020年10月に初登場した新型ICBMとみられる。高角度のロフテッド軌道で発射し、通常軌道なら米東海岸まで射程に収める射程1万5000キロ以上に達すると推定される。
金総書記は「今後も国防力強化に国家の全ての力を最優先で集中させる」と表明し、「誰であろうと、わが国家の安全を侵害しようとするなら、必ず凄絶(せいぜつ)な代価を払うことになる」と威嚇。「米帝国主義との長期的対決を徹底的に準備していく。わが国の戦略武力は、米帝国主義者のいかなる危険な軍事的たくらみも徹底して阻止、抑止する万端の準備態勢にある」と強調した。