日銀、金利上昇けん制=3年半ぶり「指し値オペ」 2022年02月14日

 日銀は14日、長期金利の上昇を抑えるため、特定の利回りで国債を無制限に買い入れる「指し値オペ」を約3年半ぶりに実施した。海外ではインフレ進行を受けて長期金利の上昇が鮮明となっており、こうした動きが日本市場にも波及している。日銀は指し値オペを打ち出すことで、金利上昇を強くけん制した格好だ。
 日銀は現在、大規模金融緩和の一環として長期金利を0%程度に誘導し、上下0.25%までの変動を認めている。
 これに対し、長期金利は10日に一時0.23%まで上昇(債券価格は下落)し、現行の政策で許容する上限に接近。日銀は、長期金利の指標となる新発10年物国債を利回り0.25%で無制限に購入する指し値オペを14日に実施すると予告した。
 14日の東京債券市場では、ウクライナ情勢の緊迫化を背景に安全資産とされる国債が買われ、長期金利は一時0.20%に低下(債券価格は上昇)。日銀が指定した利回り水準に達しなかったため指し値オペに応札はなかったが、ひとまず金利上昇を封じ込めた形だ。 

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