21年の貿易収支、2年ぶり赤字=資源高騰で輸入額膨らむ―12月、輸出入とも過去最大 2022年01月20日

 財務省が20日発表した2021年の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は1兆4722億円の赤字となった。年間での貿易赤字は2年ぶり。輸出額は新型コロナウイルス禍の前の水準に回復したが、原油や非鉄金属など資源価格の高騰や、円安進行による輸入品の価格上昇を背景に輸入額が膨らんだことが響いた。
 同時に発表された21年12月の貿易収支は5824億円の赤字だった。赤字は5カ月連続。輸出額は前年同月比17.5%増の7兆8814億円、輸入額は41.1%増の8兆4638億円と、ともに1979年の統計開始以来最大だった。
 21年の輸出額は前年比21.5%増の83兆931億円と、07年(83兆9314億円)に次ぐ2番目の水準。コロナ禍で落ち込んだ世界経済の回復を受け鉄鋼や自動車などの輸出が伸びた。輸入額は24.3%増の84兆5652億円。輸出額、輸入額ともに3年ぶりに増加した。
 輸入額を品目別に見ると、原油が49.1%、非鉄金属が64.3%それぞれ増加。価格が上昇している穀物や肉類のほか、新型コロナウイルスワクチンを含む医薬品の輸入額も増えた。 

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