ドコモ、25日上場廃止=NTTが完全子会社化 2020年12月24日

 NTTドコモの株式が25日、親会社のNTTによるTOB(株式公開買い付け)の成立を受け、上場廃止となる。NTTは約4兆3000億円を投じて「稼ぎ頭」のドコモを完全子会社化し、海外展開の加速に向け、グループ経営を強化する。子会社化の一連の手続きは29日に完了する。
 ドコモ株は1998年10月、東証1部に上場した。ITバブルを追い風に株価が上昇し、99年には時価総額でNTTを抜いて国内首位に躍り出た。2000年のピーク時には時価総額が43兆円まで拡大。その後は、ITバブル崩壊や携帯電話市場の競争激化を背景に株価は伸び悩んだ。24日終値ベースの時価総額は12兆5270億円。
 NTTは9月、ドコモを完全子会社化すると発表。TOBの結果、ドコモ株の議決権ベースの保有比率は66.21%から91.46%に拡大。会社法の規定により、90%以上を保有するNTTは、残りのドコモ株を買い取ることができる。
 KDDIやソフトバンクなど28の電気通信事業者は11月、NTTによるドコモ完全子会社化で「公正な競争環境が阻害される恐れがある」とする意見書を武田良太総務相に提出した。総務省は競争環境を確保する方策を検討する有識者会議を設置。今年度中に提言を取りまとめる。 

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NTTドコモ株が上場した1998年10月の東京証券取引所
NTTドコモ株が上場した1998年10月の東京証券取引所

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