アルトマン氏、取締役にも復帰=経緯は謎、統治懸念拭えず―米オープンAI 2024年03月09日 16時14分

米オープンAIのアルトマン最高経営責任者(CEO)=2023年11月、米カリフォルニア州サンフランシスコ(AFP時事)
米オープンAIのアルトマン最高経営責任者(CEO)=2023年11月、米カリフォルニア州サンフランシスコ(AFP時事)

 【シリコンバレー時事】対話型AI(人工知能)「チャットGPT」を手掛ける米オープンAIは8日、アルトマン最高経営責任者(CEO)の取締役復帰を決めた。同氏が昨年11月、両役職を一時下ろされた原因を取締役会の「信頼関係の破綻」と結論付け、解任には当たらないと判断した。ただ、不和の経緯は謎のまま。企業統治は正常化したのか―。懸念は残っている。
 これまで、業容拡大を急ぐアルトマン氏と安全性を重視する取締役らの対立が原因として浮上してきた。アルトマン氏が、AI研究者の取締役(当時)が論文でオープンAIの安全対策を批判したと感じ退任を迫ったことが、解任劇の背景にあるとの報道もあった。
 ただ、オープンAIが外部委託した調査結果の概要では、解任に動いた取締役らが懸念したのは製品の安全性ではないと判断した。アルトマン氏に弁明の機会を与えなかった当時の取締役会の拙速さを指摘しており、取締役会をさらに3人増員し7人にすることや、統治指針の強化といった改善策を打ち出した。
 アルトマン氏は8日、X(旧ツイッター)に「当時の取締役会がオープンAIに危害を加えようとしていると思い込んでいた。慎重に対処すべきだった」と陳謝した。 

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