スポーツ配信で3社連合=放映権料急騰が背中押す―米メディア 2024年02月07日 14時21分

 【シリコンバレー時事】ウォルト・ディズニー傘下のESPN、FOXコーポレーション、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの米メディア3社が6日、共同でスポーツ配信事業を立ち上げると発表した。巨大IT企業によるスポーツ配信事業参入で放映権料が急騰する中、伝統的なテレビメディアが手を組んで豊富なコンテンツをそろえて対抗する。
 3社が設立する合弁会社で、配信基盤を構築する。アプリに加え、既存の動画配信サービスからも視聴可能。今秋提供を始める。価格は未定。FOXのマードック会長兼最高経営責任者(CEO)は声明で、「一連の素晴らしいスポーツコンテンツを1カ所で提供できる」とアピールした。
 S&Pグローバル・マーケットインテリジェンスの推計では、2025年の米国におけるスポーツ放映権料は300億ドル(約4兆4000億円)を突破する。10年前から倍増、「バブル」とも言える状況だ。
 背景にあるのは、アマゾン・ドット・コムやアップルによる動画配信事業の強化だ。コロナ禍のデジタル需要で同事業が伸長。22年7月には、視聴時間でケーブルテレビを上回り首位に立った。さらなる成長には、他社にないコンテンツが不可欠。アメリカンフットボールなど人気コンテンツの収集に動き、競争が激化した。
 放映権料の高騰には、日本や英国のメディアも悩まされている。3社連合は、アメフトやバスケットボールなど11分野のコンテンツを持ち寄り巨大ITに挑む。一方でテレビ離れが加速するリスクも伴う。成否は、伝統的なメディアの事業転換を占う試金石となりそうだ。 

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