米中、関税停止90日延長=土壇場発表、隔たり大きく 2025年08月12日 08時42分

トランプ米大統領=11日、ワシントン(EPA時事)
トランプ米大統領=11日、ワシントン(EPA時事)

 【ワシントン、北京時事】米中両国は12日に期限を迎えた24%分の関税適用の停止措置を90日間さらに延長した。トランプ米大統領が11日に大統領令に署名し、中国側も発表。7月末の閣僚級貿易協議で延長方針が決まったものの、トランプ氏が合意内容の承認を明言しなかったため、貿易戦争再燃が懸念されていた。土壇場の発表となったことで、立場の隔たりがあらわになった。
 米中の共同声明に基づくと、新たな期限は11月10日。中国側は米国に対する非関税報復措置の停止や取り消しに向けて取り組む。中国政府は声明で、今回の延長により「世界経済の発展と安定に寄与する」と強調した。
 米中は5月、スイス・ジュネーブでの閣僚級協議で、互いにかけ合っていた高関税を115%引き下げ、このうち24%の停止については90日間の時限措置とすることで合意。関税再発動の期限が8月12日に迫っていた。
 7月28、29両日にはスウェーデンのストックホルムで3回目の閣僚級協議が開かれ、期限をさらに90日間延長する方針で一致。だが、ベセント米財務長官は協議後、トランプ氏の承認が必要だと話していた。
 米国の対中関税は現在、相互関税の10%と、合成麻薬「フェンタニル」の米国流入を理由とした20%を合わせた30%。中国は10%の報復関税に加え、大豆や綿花、トウモロコシを標的とした追加関税で対抗している。 

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