トランプ氏、オバマ氏批判を再燃=醜聞の話題転換に躍起―米 2025年07月23日 14時41分

オバマ元米大統領(左)とトランプ大統領=1月9日、ワシントン(AFP時事)
オバマ元米大統領(左)とトランプ大統領=1月9日、ワシントン(AFP時事)

 【ワシントン時事】トランプ米大統領がここ数日、オバマ元大統領への批判を再燃させている。少女らへの性的搾取事件で起訴され、死亡した米富豪ジェフリー・エプスタイン氏と自身の関係を巡る醜聞に追及がやまない中、「国民の目をそらす」(米紙)ことに躍起になっている様子だ。
 「悪事の親玉はバラク・フセイン・オバマだ」。トランプ氏は22日、ホワイトハウスで記者団にまくし立てた。オバマ氏が2016年大統領選で不正を働いたとする説を持ち出し、「反逆罪」で「間違いなく有罪だ」と一方的に主張した。
 オバマ氏の事務所は同日、「言語道断だ」と声明で非難。トランプ氏の言説を「話題をそらすための弱々しい企て」と断じた。
 トランプ氏は20日には、オバマ氏が投獄される偽動画を自身のSNSアカウントに転載した。ホワイトハウス内で連邦捜査局(FBI)に力づくで拘束されるオバマ氏を、トランプ氏が満面の笑みで眺める様子が映し出されている。
 だがこうした試みもむなしく、「MAGA(マガ)」と呼ばれる同氏の支持層の間では、拘束中に死亡したエプスタイン氏を巡る事件の真相究明を求める圧力は強まるばかり。身内の共和党議員の一部からも、捜査資料の開示を義務付ける決議案に賛同する声が上がり、政治的影響は無視できなくなりつつある。
 エプスタイン氏を巡っては、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが17日、トランプ氏が過去に裸の女性を描いた手紙を送るなど親密な関係にあったと報道。ニューヨーク・タイムズ紙も19日、「約15年間」にわたった両氏の交遊を詳細に報じた。
 こうした中、ジョンソン下院議長(共和)は22日、夏季休会入りを23日に前倒しすると宣言した。「臭いものにふた」とも言える露骨なスキャンダル回避の姿勢は、かえって世間の疑念を深めている。 

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