反捕鯨の容疑者、国際手配解除=日本が拘束要請―ICPO 2025年07月23日 07時01分

【パリ時事】国際刑事警察機構(ICPO、本部フランス中部リヨン)は22日、日本の調査捕鯨に対する妨害行為で国際手配された反捕鯨団体シー・シェパード(SS)創設者ポール・ワトソン容疑者(74)について、身柄拘束を求める「赤手配」の削除が決まったと明らかにした。「デンマークによる(日本への)引き渡し拒否など、新たな事実を踏まえて決定が下された」という。手配解除は全てのICPO加盟国に通知された。
ワトソン容疑者は2010年に南極海で調査捕鯨を妨害したとして、海上保安庁が傷害容疑などで逮捕状を取り、国際手配。24年7月、寄港先のデンマーク領グリーンランドで拘束されたが、当局の判断で同12月に釈放された。
その後、ICPOによる適切な個人情報処理の確保を担う「ファイル管理委員会」がワトソン容疑者の要請を受け、手配を一時停止。最終的に手配解除に踏み切った。
ICPOは決定が「事件の内容に関する判断ではない」と強調した。一方、AFP通信によれば、同委は容疑者追及に向けた日本の「積極的な再三の関与」や、「政治的要素」があった可能性を指摘。こうした点や事件発生から時間が経過したことも考慮したもようだ。
ワトソン容疑者はSNSで「(日本の)政治的動機による迫害に終止符を打ち、(調査)捕鯨の違法性を浮き彫りにする決定だ」と主張した。