バイデン氏攻撃「再開」=富豪との関係で守勢のトランプ氏 2025年07月21日 14時03分

【ワシントン時事】トランプ米大統領が、バイデン前大統領の在任中の自動署名装置「オートペン」使用に対する攻撃を再燃させている。トランプ氏の岩盤支持層の一部は、勾留中に死亡した富豪ジェフリー・エプスタイン氏による少女らへの性的搾取事件の真相究明に後ろ向きだとして政権への不満を募らせており、トランプ氏には、バイデン氏を標的にして矛先をそらす思惑がありそうだ。
トランプ氏が批判を強めるきっかけになったのは、13日にニューヨーク・タイムズ紙が報じたバイデン氏の電話インタビュー。バイデン氏はこの中で、オートペンを乱用して側近に意思決定を丸投げしていたと同氏を非難してきたトランプ氏らを「うそつき」と断じた。
トランプ氏は16日、バイデン氏の政権運営について「オートペンを操る人間が政策を握っていた」と改めて主張。「エプスタインではなく、これこそ議論すべきスキャンダルだ」と強調した。
ただ、オートペン問題を蒸し返しても、トランプ氏への風当たりが弱まる気配はない。20日付のニューヨーク・タイムズ紙は「約15年間」にわたったトランプ氏とエプスタイン氏の交遊を詳細に報道。エプスタイン氏を巡る問題に対する世間の関心が衰えなければ、トランプ氏にとって支持の低下をもたらす「重大な脅威になり得る」(ワシントン・ポスト紙)との見方も浮上している。