南北キプロス首脳が会談=国連仲介で対話継続 2025年07月18日 11時31分
【ニューヨーク時事】ニューヨークの国連本部で16、17の両日、分断が続く地中海の島国キプロスの南北首脳による非公式会合が開かれた。国連のグテレス事務総長は会合後に記者会見し、「北キプロス・トルコ共和国」(トルコのみ承認)のタタル大統領と、南側のキプロス共和国(ギリシャ系)のフリストドゥリディス大統領が対話を続けることを確認したと明らかにした。
今回の会合は、ジュネーブで3月に開かれた第1回会合に続いて開催。ギリシャ、トルコ、英国からも閣僚級の代表が出席した。
双方は、新たな4カ所の検問所設置や、緩衝地帯への太陽光発電の導入などについて議論を継続することで一致した。一方で、AFP通信によるとタタル氏は会合後、南側が南北間の緩衝地帯に検問所に通じる新たな道路の建設を試みていたと主張。「(この問題を受けて)検問所開設を発表できなかった」と述べ、不快感を示した。
グテレス氏は「長い道のりだが、今回の一歩は前へ進むための対話継続の意志を明確に示している」と成果を強調。9月の国連総会で両首脳と会談し、年内にもう一度非公式会合を開催することも決まったと発表した。
英国領だったキプロスは、1960年の独立後、ギリシャ系とトルコ系の住民が対立。ギリシャ系武装勢力のクーデターをきっかけに74年にトルコが軍事侵攻し、北部の一部を占領して以来50年以上にわたって分断が続いている。