集団殺害30年で追悼行事=なお1000人不明―ボスニア 2025年07月12日 08時00分

11日、ボスニア・ヘルツェゴビナ東部スレブレニツァで、新たに特定されたジェノサイド犠牲者らの葬儀に参列する人々(EPA時事)
11日、ボスニア・ヘルツェゴビナ東部スレブレニツァで、新たに特定されたジェノサイド犠牲者らの葬儀に参列する人々(EPA時事)

 【ベルリン時事】旧ユーゴスラビア構成国のボスニア・ヘルツェゴビナで11日、紛争下の1995年に東部スレブレニツァでセルビア人勢力がイスラム教徒のボシュニャク人8300人以上を殺害したジェノサイド(集団殺害)から30年たつのに合わせた追悼行事が行われた。「第2次大戦後の欧州で最悪の虐殺」と呼ばれ、およそ1000人が現在も行方不明となっている。
 追悼施設での式典で、フェイジッチ組織委員長は「彼らはボシュニャク人だったというただ一つの理由で殺された。決して忘れない」と犠牲者を悼んだ。この日は遺族が埋葬に同意した7人の遺骨が新たに集団墓地に葬られた。
 セルビア人勢力は虐殺後、発覚を恐れて一度地中に埋めた遺体を重機で掘り起こし、各地に分散して埋め直したとされる。遺体の発掘や鑑定作業が続くが発見は難しく、遺体の一部しか見つかっていないことを理由に埋葬をためらう遺族も少なくないという。
 セルビア系住民の間では「虐殺ではなかった」との一方的主張が広まっており、セルビア系の指導者ドディク氏は式典に参加しなかった。 

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