日米韓の安保協力継続確認=「中国抑止」の声も―制服組トップ 2025年07月11日 16時53分

11日、ソウルで握手をする米軍のケイン統合参謀本部議長(左)、韓国軍の金明秀合同参謀本部議長(中央)、自衛隊の吉田圭秀統合幕僚長(右)(AFP時事)
11日、ソウルで握手をする米軍のケイン統合参謀本部議長(左)、韓国軍の金明秀合同参謀本部議長(中央)、自衛隊の吉田圭秀統合幕僚長(右)(AFP時事)

 【ソウル時事】日米韓3カ国の制服組トップが11日、ソウルで会談した。6月に韓国の李在明政権が発足してから初めてで、北朝鮮の核・ミサイル開発を非難し、安全保障協力の継続を明記した共同声明を発表した。米軍のケイン統合参謀本部議長は、中国の軍事的脅威の抑止に向けても足並みをそろえるよう呼び掛けた。
 韓国は日米韓の安保協力を北朝鮮に対する抑止力と位置付けているが、ケイン氏は会談で「北朝鮮と中国は前例のない軍事力の増強を続けている」と中国にも言及。「米国は抑止力の再構築に焦点を当てている」と述べ、日米韓の枠組みを中国へのけん制にも活用したい意向を示した。
 会談にはケイン氏のほか、自衛隊の吉田圭秀統合幕僚長、韓国軍の金明秀合同参謀本部議長が出席した。日韓関係の冷却も影響し、統合幕僚長の訪韓は15年ぶり。吉田氏は「日韓米の防衛協力がそれぞれの国の政治状況に左右されずに進展を図れるよう具体的な制度化を進めたい」と訴えた。
 会談に合わせ、韓国南部の済州島南方の公海上で日米韓の合同訓練が11日行われ、米空軍のB52戦略爆撃機が今年初めて朝鮮半島に展開した。 

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