核兵器「統合運用」可能に=英仏首脳、抑止力強化で合意―ローマではウクライナ復興会議 2025年07月10日 21時22分

10日、ロンドンの英首相官邸前で、フランスのマクロン大統領(右)を出迎えるスターマー首相(AFP時事)
10日、ロンドンの英首相官邸前で、フランスのマクロン大統領(右)を出迎えるスターマー首相(AFP時事)

 【ロンドン、パリ時事】スターマー英首相は10日、訪英中のマクロン・フランス大統領とロンドンの首相官邸で会談した。ウクライナに侵攻するロシアの脅威に対する抑止力の強化に向け、核兵器を含む防衛協力の在り方を協議。両首脳は、英仏両国がそれぞれ保有する核兵器の「統合運用」を可能にすることで合意した。
 両首脳は「核分野でのパートナーシップ」をうたう宣言に調印した。宣言は「英仏の核心的利益が敵対勢力によって脅威にさらされた場合、両国の核兵器で対峙(たいじ)する」と強調。核兵器の保有や使用はそれぞれの国が決定権を有するものの「統合運用が可能」と明記した。両国が核抑止力の「統合」を明確にするのは初めてという。
 両首脳はこのほか、巡航ミサイル「ストームシャドー」を追加発注し、後継システムの開発を加速させる方針を確認。ストームシャドーはロシアと戦うウクライナ軍にも供与され、戦場で効果を発揮していると伝えられている。 

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10日、ローマで開幕した「ウクライナ復興会議」で演説する同国のゼレンスキー大統領(EPA時事)
10日、ローマで開幕した「ウクライナ復興会議」で演説する同国のゼレンスキー大統領(EPA時事)

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