プラハ発、旧車で目指せ万博=55年前の大陸横断の思い継承―チェコ 2025年07月07日 07時08分

【ベルリン時事】チェコの首都プラハから旧車でユーラシア大陸を横断し、大阪・関西万博の会場を目指しているチェコ人たちがいる。チェコと日本の友好や文化交流を掲げており、今月24日のチェコ・ナショナルデーでの車両展示を予定している。
企画したのは起業家のヨゼフ・ザイチェクさん(53)。1980年以前に製造された車7台とサポート車に乗り込んだ計16人の一団を率いる。自らも59年製の国産車タトラのハンドルを握り、「地球の向こう側に力強い物語を届ける」と意気込んでいる。77年製トヨタ・セリカも走る。
一団は6月21日、駆け付けたチェコのパベル大統領の旗による合図でプラハ城をスタート。バルカン半島からトルコを経由して東へと疾走し、計1万6000キロを走破する計画だ。車両トラブルは日常茶飯事で、幹線道路で立ち往生も。警察に運転免許を取り上げられそうになったり、国境通過が難しく遠回りを余儀なくされたりと悪戦苦闘しつつ、今月6日時点で、カザフスタンと中国の国境付近を走行中だ。
55年前の1970年にヒッチハイクでチェコから大阪万博に行った先達の思いを継いだ冒険だという。当時の発起人で写真家のズデネク・トーマさん(86)によると、6カ月半かけて497台を乗り継いだ。トーマさんはそれ以来、10回以上訪日し、日本文化を紹介する本も出版。「(初の日本滞在が)私の生涯に大きな影響を与えた」と振り返った。今回の企画について、「(方法は違っても)文化と人々をつなぐという目的は同じだ」とエールを送った。
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