減税で財政赤字470兆円増=上院案、30日採決へ―米 2025年06月30日 07時55分

【ワシントン時事】米上院は29日、トランプ大統領の看板政策である大型減税法案の審議を続けた。減税が実現すれば財政赤字は2034年度までに従来予想から約3兆2500億ドル(約470兆円)上振れする見込み。採決は30日となりそうだが、与党共和党の財政規律派の反発は必至で、法案の議会通過は見通せない。
議会予算局(CBO)は、下院が5月に可決した減税関連法案について、財政赤字を約2兆8000億ドル増やすと見積もっていた。これを修正した上院案では、赤字がさらに膨らむ。
トランプ氏や共和党幹部は米独立記念日の7月4日までに法案の議会通過を目指しており、上院は週末返上で立法手続きを急いでいる。上院が修正案を可決しても、下院が再可決する必要がある。共和党は上下両院とも僅差で多数派になっているにすぎず、法案成立のめどは立っていない。
一方で野党民主党は、低所得者向け医療支援「メディケイド」の削減などに反発し、徹底抗戦の構えだ。民主党の要求で940ページに上る膨大な法案を議会職員たちが交代しながら16時間かけて夜通しで読み上げた。これにより、審議手続きが大幅に遅れた。
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