米大統領、ガザ停戦へ「取引せよ」=交渉進まず、イスラエルで抗議デモ 2025年06月29日 18時26分

28日、イスラエル・テルアビブで抗議デモに参加する人々(AFP時事)
28日、イスラエル・テルアビブで抗議デモに参加する人々(AFP時事)

 【カイロ時事】イスラエルが軍事作戦を続けるパレスチナ自治区ガザ情勢を巡り、トランプ米大統領は29日、停戦に向けて「ディール(取引)を交わせ。人質を取り戻せ」と自身のSNSに投稿した。イスラエルとイスラム組織ハマスの交渉で進展が見られないと伝えられており、トランプ氏は双方に圧力をかけた形だ。
 イスラエルの後ろ盾である米国は、ハマスに強い影響力を持つカタールと共に停戦交渉を仲介。トランプ氏は27日、近く停戦合意に至るとの見方を示していた。
 しかし、イスラエルのメディアは28日、同国高官の話として、ハマスが強く要求する「合意が恒久停戦につながるという保証」に関し、双方の溝が埋まっていないと報じた。
 イスラエルのテルアビブでは28日、人質解放の停滞などについて政府に抗議する大規模なデモが行われた。ガザで1月に解放され、デモに参加した元人質の女性は、イスラエルがイランと23日に停戦合意したことも踏まえ、ネタニヤフ首相にガザでも「勇敢な決断」を下すよう訴えた。
 ガザでハマスの掃討作戦を続けるイスラエル軍は29日、「作戦を強化、拡大する」としてガザ北部の一部に避難勧告を出した。軍はガザの約75%を支配下に置いたとされるが、なお激しい攻撃が続く。ガザ保健当局は28日、過去1日で少なくとも81人が死亡したと発表した。 

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