NY市長選、経済界動揺=「社会主義」に支持 2025年06月28日 15時37分

【ニューヨーク時事】11月に行われる米ニューヨーク市長選の民主党候補を決める予備選で、左派のニューヨーク州議会議員ゾーラン・マムダニ氏(33)が番狂わせで勝利する見通しとなり、地元経済界に動揺が走っている。世界の資本主義の中心地で、富裕層と企業への課税強化や家賃値上げの凍結など社会主義的な公約が支持を集めたことにパニックが広がっている。
マムダニ氏は東アフリカのウガンダでインド系の家庭に生まれ、7歳でニューヨーク市に移住。イスラム教徒でラッパーの経歴も持つ。ほぼ無名だったが、SNSを駆使して物価高騰に不満を持つ若年層を中心に支持を広げ、本命視されていたアンドルー・クオモ前州知事(67)に負けを認めさせた。
「資本主義に対して多くの批判を持っている」。自身を「民主社会主義者」と称するマムダニ氏は、米テレビのインタビューで資本主義への疑問を投げ掛け、富の再分配強化の必要性を訴えた。ニューヨーク市は民主党支持者が多く、マムダニ氏は11月の本選でも勝利の公算が大きくなっている。
同市の経済を引っ張る金融や不動産業界の幹部はマムダニ氏に強い拒否感を示し、もし当選すれば富裕層や企業が南部フロリダ州などに流出すると警告する。著名投資家のビル・アックマン氏は「米経済の中心地に社会主義の居場所はない」と強調。より中道姿勢の候補者を発掘し資金調達で支えると宣言し、選挙に積極的に関与する構えだ。