コカイン生産量が過去最悪=薬物摂取、15~64歳の6%―国連報告 2025年06月26日 19時57分

コカイン(資料写真)
コカイン(資料写真)

 国連薬物犯罪事務所(UNODC)は26日公表の違法薬物に関する年次報告で、世界のコカインの生産量、押収量、使用者数が2023年に、いずれも過去最悪を記録したことを明らかにした。違法薬物の中で最も急激に市場を拡大しているという。
 コカインの生産量は前年比34%増の3708トンで、押収量は同13%増の2275トン。使用者は2500万人で、10年前の1700万人から大幅に増加した。密売組織はアジアやアフリカといった新興市場に手を伸ばしており、UNODCは組織間の抗争の中心地が中南米から欧州に広がりつつあるとしている。
 違法薬物全体の使用者は3億1600万人で、この10年間で28%増加。世界の生産年齢人口(15~64歳)の6%が摂取した計算だ。最も広がっているのは、一部の国や地域で嗜好(しこう)目的の使用が認められている大麻で2億4400万人。アヘンの6100万人、アンフェタミンの3100万人が続いた。違法薬物によって、21年には50万人近くが命を落としたとされる。 

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