ガザ停戦にも期待感=イラン戦闘終息で人質家族ら―イスラエル 2025年06月26日 14時08分

イスラム組織ハマスに拘束された人質の解放を訴える人々=21日、イスラエル中部テルアビブ(ロイター時事)
イスラム組織ハマスに拘束された人質の解放を訴える人々=21日、イスラエル中部テルアビブ(ロイター時事)

 【カイロ時事】イスラエルとイランの戦闘終息を受け、パレスチナ自治区ガザで続くイスラエルとイスラム組織ハマスの衝突でも、停戦を期待する声が高まっている。ハマスが拘束する人質の家族らはイスラエル政府に対し、改めて人質の帰還実現に取り組むよう求めた。
 ガザには依然、約20人の存命の人質が残されている。AFP通信によると、2023年10月のハマスによる奇襲で当時19歳の息子を連れ去られた女性、ビキ・コーヘンさんは「政府はガザでの戦争を終わらせないまま、イランと戦争を始めた。国(イスラエル)は彼を見捨てつつある」と批判。ネタニヤフ政権がイラン問題に集中するあまり、ガザへの関心が薄れたと嘆いた。
 コーヘンさんは夫と共に、人質解放を求めるデモに何度も参加している。人質の家族でつくる主要な団体は声明で「イランとの停戦を実現できるなら、ガザでの戦争を終わらせることもできるはずだ」と訴え、交渉進展に期待を示した。
 一方、トランプ米大統領は25日、「ガザに関しても(事態が)大きく進展しつつあると思う」との見方を披露。根拠として、ハマスを支援してきたイランとの停戦が実ったことを挙げた。
 ガザ交渉の仲介役カタール政府は24日、停戦に向け「新たな一押し」を行うと表明。ハマス関係者も25日、AFPの取材に「仲介国とのやりとりは続き、ここに来て集中的に協議している」と説明したが、新しい提案は受け取っていないとも述べた。イスラエル政府は「戦闘や交渉を通じて」人質を取り戻す努力を続けているとしている。 

海外経済ニュース