NATO、防衛費5%目標で合意へ=首脳会議、24日開幕 2025年06月23日 23時35分

23日、オランダ・ハーグで記者会見する北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長(AFP時事)
23日、オランダ・ハーグで記者会見する北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長(AFP時事)

 【ハーグ時事】北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が24日、オランダのハーグで2日間の日程で開幕する。ルッテ事務総長は23日の記者会見で、トランプ米大統領が要求する加盟国の防衛費を国内総生産(GDP)比5%以上とする目標について、全加盟国が合意すると明言した。
 米国のイラン空爆で中東情勢が一段と緊迫する中、NATOの結束を図れるかが焦点だ。ルッテ氏は「これは大きな一歩だ。野心的で、歴史的で、われわれの将来の安全保障の礎となるものだ」と語った。
 会議にはトランプ氏を含む加盟32カ国の首脳が出席する。日本の石破茂首相も招待されていたが、中東情勢の急変を受けて出席の見送りを決めた。
 ルッテ氏はトランプ氏の要求を踏まえ、防衛費をGDP比3.5%、安全保障に関係する道路や橋の建設などインフラ整備を同1.5%とする目標を加盟国に提案していた。スペインのサンチェス首相は「合理性を欠く」と異論を唱えていたが、最終的に全加盟国が一致したという。
 ロイター通信によると、NATOは2035年までの5%目標達成を目指すことを盛り込んだ首脳声明を取りまとめる。29年に目標の見直しを行う予定という。
 過去3回の首脳会議で議論されたロシアのウクライナ侵攻は、中心的な議題から外れる可能性がある。トランプ氏はロシアに融和的な姿勢を取っており、今月カナダで開かれた先進7カ国首脳会議(G7サミット)でもウクライナ支援に関する共同声明の取りまとめは見送られた。 

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