核不拡散「瓦解の危機」=地下の損害把握困難―IAEAトップ 2025年06月23日 07時50分

【ベルリン時事】国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は22日、米国のイラン攻撃を受けて、紛争が拡大すれば「核不拡散体制が瓦解(がかい)する恐れがある」とイランの核拡散防止条約(NPT)脱退への危機感をあらわにし、外交的解決を求めた。地下貫通型爆弾が投下されたイラン中部フォルドゥの地下ウラン濃縮施設について、「現時点では誰も被害を評価できる立場にはない」と述べ、損害の程度を把握することは困難との見解を示した。
国連安全保障理事会でビデオ演説した。グロッシ氏によると、フォルドゥではクレーターが目視でき、被害そのものは明白という。中部イスファハンの核施設では、「濃縮ウランの保管に使われているトンネルの入り口」が、新たに攻撃を受けたもよう。ナタンズの地下施設を貫通型爆弾が直撃したことも確認された。